2013年2月7日

第5回脳科学将来構想委員会

【脳科学関連学会連合 第5回脳科学将来構想委員会 議事録】

日時

2013年2月7日(月曜日)16:00~17:30

場所

オンライン会議

出席者

(名簿順、敬称略)
委員: 岡部繁男、川人光男、小泉修一、本田学、岩坪威、山森哲雄、中込和幸、岡本仁、岡澤均、本間さと

議事

1.トップダウン型研究 新規プロジェクトの提案について
本提案内容についての運営委員からの意見が委員長より説明された。

委員より以下の意見交換があった。

  • 運営委員からの意見として、提案内容を複数の次元が組み合わさった構造を持つものとした方が良いとの指摘があった。
  • 本文中に使用されている「軸」という言葉と、運営委員が指摘している複数の次元を構成する「軸」が異なっているので、まず両者の整合性を取る形で本文を修正する必要がある。運営委員からのコメントはポンチ絵として事務局作成分に追加してはどうか。

運営委員からのコメント等を踏まえて今後本文の修正を行うこととなった。追加のポンチ絵については、事務局に作成を依頼することとなった。

2.日本学術会議次期(22期)マスタープランについて
委員長より、次期マスタープラン案の再修正案が提出された。研究計画部分については前回以降のweb会議により6つの研究項目が確定されたことが報告された。委員からの情報提供に基づき、精神疾患についての大型共同研究の記載が修正された。また運営委員からのコメントとして、最後に添付された参考資料が長すぎる、との意見があったことを受けて、この部分は別ファイルとなった。更に、海外の基礎的な大型共同研究としてHuman Connectome Project, Blue Brain Project (および後継としてのHuman Brain Project)について言及すべき、という意見に対応して記載が追加された。

以上の報告を受けて、委員より以下の情報提供、意見交換があった。

  • 海外の動向に関してはHuman Brain Projectに理研の研究者が参加しているという情報がある。
  • 理研BSIの藤井直敬氏が参加している。
  • International Neuroinformatics Coordinating Facility (INCF)ではショウジョウバエの国際共同研究等が実施されており、東大分子細胞生物学研究所の伊藤啓氏が参加しているので記載してはどうか。
  • アメリカではAllen研究所も大型共同研究の枠組みを形成しているので、調査すべきではないか。

以上の議論を経て、INCFでの国際共同研究については理研BSIの担当者から、Allen研究所については同じく理研の田中啓治氏から情報を得ることとなった。また運営委員からの指摘として、研究項目(6)の「脳・こころ・社会」を一体化した研究の実現に向けた、異分野連携の推進、という部分については、「他の部分の記述とのつながりが薄く、そこだけが「脳科学として一体となって取り組む」というように読めない」という指摘に対応するため、修正することとなった。

続いて委員より、具体的な申請の際に必要となる書式について説明があり、現在抜けている項目として、「経費」「年次計画」「実施機関」の三つについても議論する必要があるとの指摘がされた。これを受けて委員長より、実施機関の最終決定は運営委員会での議論が必要であること、将来計画委員会としては、提案された計画を実施する上で必須となるのがどの研究機関であるのか、というコメントは運営委員会に対して提出すべきであること、が提案され、了承された。経費と年次計画については今後検討することとした。
これに引き続いて、実施機関としてはこれまでの脳科学分野における共同研究等の実績について考慮することが必要であること、基礎、臨床脳科学分野のバランスを取ることが重要であること、等のコメントがあった。
これらの議論を受けて、2月15日に学術会議から応募様式が示された時点で、主要な脳科学研究機関に属する委員によるサブWGを開催して実施計画の文案の様式に沿った改訂を行うことが承認された。

3.コミュニティへの周知・議論
委員長より、今後の大型研究計画の公募、選定のスケジュールが呈示され、7月末~8月初めに新分野創成センターの新分野探索フォーラムでの将来構想委員会メンバーに外部の研究者を加えたブレインストーミングを開催すること、そこでの議論を8月29-9月1日開催の包括脳ワークショップ(名古屋)での包括脳との合同ワークショップにより一般の参加者と共有すること、続いて学術会議脳関連3分科会によるシンポジウムを9-10月に開催して更に広く周知することが提案され、承認された。

続いて学術会議脳関連3分科会によるシンポジウムについての意見交換が行われ、シンポジウム構成としては、脳科学以外の分野の傑出した科学者に脳科学に期待するものを語っていただくセッション、脳科学内部からの情報発信、これらを受けてのパネルディスカッション、という3部構成とすることとなった。これを念頭において、適任と思われる講演者を3名、それぞれの委員が推薦することとなった。

4.今後の進め方について
3月初旬を中心に事務局から日程調整を行い、オンライン会議を設定することとなった。
また6月20-23日に京都で開催される日本神経科学学会および8月29日-9月1日に名古屋で開催される包括脳ワークショップにおいて委員会を開くことが提案され、承認された。

以上