2017年7月10日

2016年第3回(通算第15回)脳科学関連学会連合将来構想委員会

【議事録】

日時

2016年7月11日(月曜日) 10:00-12:30

場所

東京大学 医学部教育研究棟 2階第3セミナー室

出席者

岡部繁男(日本解剖学会)、松田哲也(玉川大学脳科学研究所)、
伊佐正(日本生理学会)、川人光男(日本神経回路学会)、
望月秀樹(日本神経学)、岡澤均(日本神経病理学会)、
鍋倉淳一(自然科学研究機構)、花川隆(国立精神・神経医療研究センター)、
岡本仁(理化学研究所脳科学総合研究センター)、
柚崎通介(脳科学研究戦略推進プログラム)、
山森哲雄(革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト)、
山脇成人(スカイプ参加 日本神経精神薬理学会)

欠席者

高橋良輔(日本神経学会、新学術領域研究)、木山博資(日本神経化学会)、
池谷裕二(日本神経科学学会)、笠井清登(日本精神神経学会)、
尾崎紀夫(日本生物学的精神医学会)

議事

(伊佐)今後のタイムスケジュール
8/2…脳科学委員会で審議(コミュニティとしてどう考えるか)
9/29,30…BSAC(大きな動き)
12/14-16…RIKEN AC(理研全体の動き)
12/10…BSI 20thシンポジウム

●考え方の基本的な意見

(伊佐)他との連携をうまく保ちながら取り込まれないようにしつつ、理研の中枢部とBSI(脳科学コミュニティ)の双方が満足できる提案を出す必要がある。また社会的に見ても脳科学が今後も重要だ、と理解していただけるような方向へ持っていくのがよい。

(伊佐)BSIのこれまでのあり方(ここが足りてなかった等)を踏まえてバージョンアップできるような論理構築をしていきたい。

(伊佐)「大学でも他の研究機関でもやっているではないか、その上で何故脳センターが必要なのか」というロジックスを再構築する必要がある。

(鍋倉)圧倒的にBSIにしかできないこと、を前面に出す必要がある。戦略をたてるにあたって、大学ではできない、BSIにしかできないことは何なのか、というふうに考えていく必要がある。

(鍋倉)例えば高次のMRIをつくるといった技術的なものをつくる、理論をつくる、など、何か他ではできない切り口が必要。そういう融合のためには予算を投じてもいい、価値がある、という方向にもっていってはどうか。

●BSIのこれまでと現状の資料について

(柚崎)理研のトータル額は一緒なので、脳研究に費やしている研究費は他と比べてどうなのか、なぜ脳研究に費やす必要があるのか、で説得していかなければならない。

(岡部)理研の生物系センターの中でみるBSIの予算比率、科研費の獲得状況はどうか。

(柚崎)交付金と比べて科研費の割合はどうか、という資料を示すとよいのではないか。

●今後のBSIのあり方についての意見

(柚崎)「統合」をキーワードにして臨床との統合、周辺科学との統合としてはどうか。

(松田)革新脳のような国としてやらなければならないトップダウンのビッグプロジェクトを引き受けてBSIで研究するとか。理研でしかできないような技術開発を行ってそれをコミュニティに配ることによって日本の脳研究レベルを上げる、という役割をするなど。

(柚崎)研究の最先端を追及してそれを周辺大学や研究者とシェアして融合する、という意味であればよい。例えばBSIで融合チームをつくり、そこに大学も入れて、というかたちならわかる。

(松田)特定になったときに「ハブ」を全面的に出すというのは1つの方法かと思う。例えば技術開発でテーマを設定しそれごとのハブ機能(知の結集)をつくり、それに対して必要な人を呼んできて開発力を高める、そこでできた技術を脳コミュニティに返していく、かたちをつくるというのは効果的である。

(伊佐)トップダウンの大目標があってそれに対して理研はどういったプロジェクトをやるのか、そのイニシアチブをとり、足りない部分は大学と連携する、というのが有効な方法だと思う。

(岡部)理研の将来戦略として、ヒトと動物を理論でつなぐような戦略研究、融合的な分野に対する戦略的な投資、革新脳で実績が出つつあるようなデータベースを介したコミュニティのハブ的な役割、を柱にしてはどうか。研究内容ではなくハブの種、戦略的な枠組みの提案をしてほしい。

以上