2021年1月21日

2021年 第1回(第5期) 脳科学将来構想委員会

【2021年第1回(第5期) 脳科学将来構想委員会 議事録】

日時

2021年1月5日(火曜日)13:00~15:00

場所

Web開催(Zoom meeting)

出席者

(敬称略)

代表:伊佐 正

副代表:斉藤 延人

日本神経科学学会:柚﨑 通介

日本生理学会:礒村 宜和

日本神経化学会:小泉 修一

日本神経回路学会:田中 沙織

日本心理学会:梅田 聡

日本神経学会:勝野 雅央

日本精神神経学会:尾崎 紀夫

日本神経精神薬理学会:池田 和隆

日本生物学的精神医学会:加藤 忠史

日本磁気共鳴医学会:阿部 修

日本臨床神経生理学会:花川 隆

国立精神・神経医療研究センター:岩坪 威

自然科学研究機構:磯田 昌岐

理化学研究所:村山 正宜

CREST:和氣 弘明

新学術領域研究:林 朗子

AMED(革新脳):大塚 稔久

代表補佐:山脇 成人

代表補佐:松田 哲也

陪席者

事務局

議事

1.代表挨拶
伊佐代表より挨拶がなされた。委員長の選出後、委員長が司会を行うことが説明された。

2.委員の自己紹介
出席者全員による自己紹介が行われた。

3.委員長の選出
運営規約の「脳科学将来構想委員会の委員長及び副委員長の選出細則」に基づき、委員長選出が行われた。柚﨑委員、池田委員、花川委員が事前に推薦され、投票の結果、花川委員が過半数を得票し、委員長として選出された。

4.副委員長の決め方について確認
選出細則に基づき、後日花川委員長が委員の中から候補をあげ、メールで承認を得ることが確認された。

5.今後取り組むべき課題について
山脇代表補佐より第4期の将来構想委員会の概要の説明がなされた。
続いて、以下の現状の分析と対応について議論がなされた。
(1)脳科学委員会の今後
伊佐代表及び松田代表補佐より以下の説明がなされた。
今までは研究計画・評価分科会(計評)内にあったが、今後はライフサイエンス委員会の下の作業部会(下部組織)となる予定。免疫など他の分野と同様な整理がなされる。作業部会における実質的な内容の審議を委員会が妨げるものではない。10年ルールに基づき、岡部代表補佐、伊佐代表が委員より退任となる。
これに対し、加藤委員より脳科学の分野の広さを考えるとライフサイエンス委員会の一作業部会としては不十分なので、情報委員会など複数の委員会への所属が可能なのかどうかの確認がなされた。松田代表補佐より必要に応じて情報科学委員会に脳分野の関係者が委員となることが現実的なのではないかとの回答がなされた。
花川委員長により自主的に枠を出て発展していく方向性を目指す可能性について質問がなされた。
これに対し松田代表補佐より議論の必要があれば審議会が設置される構造になっているが、文科省の中でも働き方改革が行われており、審議会数は減る方向にあるので、効率的に審議することが重要である。また関連する審議会に入り、スポークスマン的に発言してもらうことが重要ではないかとの回答がなされた。
山脇代表補佐より、文科省のみフォーカスがなされているが、経済産業省や厚生労働省の委員会等への働き掛けが可能かどうかについての質問がなされた。松田代表補佐より、文科省はコミュニティーの意見を吸い上げプロジェクトに反映させているのに対し、経産省や厚労省はプロジェクトが先に決まり、それについて意見聴取がなされるスタイルである旨が説明された。尾崎副代表より厚労省は福祉の側面が強く意図がそぐわない旨が補足された。

(2)今後のAMEDにおける脳科学関連予算の展望
新規プロジェクトの公募予告が1月5日の朝に出された。脳とこころの研究推進プログラムが来年度から立ち上がり、その中に国際脳や革新脳の終了後に新規のプログラムが立ち上がる可能性があることが松田代表補佐から説明された。伊佐代表より予算獲得のために次のアイデアを出し、周辺分野との協調も考え、サポートしてもらえるような提案をしていく必要があり、そのための議論が将来構想委員会で必要であると説明がなされた。
林委員より尾藤前将来構想委員長の脳科学委員会でのプレゼンについて説明がなされた。
花川委員長より現状を把握し、何年先にどのようなことが必要か立案し、その際には委員に協力を仰ぎたい旨の発言がなされた。

(3)学術会議の動向
生物系である第二部の幹事である尾崎委員より以下の説明がなされた。
従来、学術会議内において、学協会としての本連合の認知度は必ずしも高くなく、学術会議に関連する学会連合一覧に含まれていなかったが、一覧に本連合を含めることで、第二部関連の学協会として位置づけを明確化した。
現在COVID-19関連のメンタルヘルス危機がテーマとなっており、これに
関連して学術会議の見直しは進んでいる。脳とこころ分科会前委員長である山脇代
表補佐が発出した脳科連緊急提言について分野を広げて出して欲しいという要望が出ている。脳神経分野は人文系、情報系との連携があり、プレゼンスを高めていくことができる。
伊佐代表より以下の補足がなされた。
神経科学の分科会では基礎と臨床の融合に伴う治療や先端研究に関連した倫理の提
言発出を目指している。
池田委員より以下の補足がなされた。
アディクション分科会では、2020年4月に3分科会の合同で研究拠点に
関する提言を発出し、実現に向けて準備を進めている。3月に関連シンポジウムを予
定している。第25期で新たな提言発出を目指している。
軍事研究に関する議論がなされた。伊佐代表より京都大学での議論とも共通する
が、軍事研究の定義が明確でないことが一番の問題である一方で、成果の公開性等
が学術会議での本来の議論の重要なポイントであった旨の発言がなされた。
今後の医学会連合と本連合との連携の重要性について、尾崎副代表より発言がなされた。

(4)マスタープラン
伊佐代表より以下の発言がなされた。
2期、3期と提出している学術会議のマスタープランは、ロードマップでの採択に至っていない。名古屋大学の門松先生のロードマップ2020「ヒューマングライコームプロジェクト」の事例を考えると、同じ路線ではなく、異なる切り口を考える必要がある。一方でその場合にもどこを主体の研究機関とするかは重要な論点である。
山脇代表補佐より前代表として提出したマスタープランの説明がなされた。
松田代表補佐より、文科省で組織改編が予定されており、大学の研究政策を扱う課により包括的にマスタープランなどが審議される可能性が高い旨が説明された。
この点を踏まえて実現性の高いプランを考えていく必要がある旨が説明された。
主体の研究機関であった生理研の磯田委員より、現時点では生理研内では議論はされておらず、マスタープラン案が固まり要請があった時点で検討がなされるであろう旨の説明がなされた。
松田代表補佐より、時期面では、学術会議自体の問題、文科省の組織改編等の問題があるのでこれらの動向を探った上でマスタープランを作成していくことが望ましい旨の説明がなされた。

(5)共同利用・共同研究拠点申請に際し、要望書を依頼された場合の対応
松田代表補佐より、文科省への共同利用・共同研究拠点の申請において、学協会からの要望書の添付が必要である旨の説明がなされた。
伊佐代表及び尾崎副代表より、現在京都大学霊長類研究所から要望書の提出依頼があり、今後総論は将来構想委員会で議論し、各論は運営委員会で議論したい旨が説明された。
池田委員より質問があり、松田代表補佐より、ジェネラルな要望書は受付されるとは思うが特定の研究所に対する要望書と同等の評価を得ることができるかどうかわからないとの回答がなされた。
山脇代表補佐より、本連合は学会連合なので、一機関からの要望に対応するのではなく、複数の学会から本連合への要望があった際に対応するのが望ましいのではないかとの意見がなされた。
斉藤副代表より、本連合の意思決定が複数の学会の総意と捉えられると考えられるので、複数の学会と連携する必要がある旨の発言がなされた。

6.その他
松田代表補佐より、今後の委員会での脳科学研究の在り方を議論していく上で、
・身体の中のひとつの臓器としての脳
システムとして脳がどのように動いているのか
・学際領域の研究としての脳科学研究の進め方
現在脳の分野に直接関係していない研究者が脳をどのように活用したいのか
の2点の観点を入れていただきたいとの発言がなされた。
伊佐代表より、以前にも将来構想委員会で異なる分野の先生を呼んでの勉強会を
行った事例がある旨の補足がなされた。

以 上