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2021年6月28日

会員学会年次大会情報を更新しました。

会員学会年次大会情報を更新しました。

2021年6月3日

特別寄稿 NPO法人「脳の世紀推進会議」の紹介と入会のお願い

アドボカシーというカタカナ語はご存知でしょうか?アウトリーチというカタカナ語は公的研究費をもらう際に研究の意義を社会に周知するための講演会などを課される場合があり、良くご存知と思います。アウトリーチはこのように一般社会に向けて科学研究の意義や成果を知らせることを主な目的としています。例えば、日本学術振興会(JSPS)の科研費ハンドブックには「科研費は、国民から徴収された税金等でまかなわれるものであり、研究者は、その実績や成果を社会・国民にできるだけ分かりやすく説明することが求められています。」(同ハンドブック22頁)とあり、また日本学術振興会特別研究員にもアウトリーチ活動が奨励されています(日本学術振興会特別研究員遵守事項および諸手続きの手引3頁)。
一方、アドボカシーは科学技術政策の立案や作成に関与する行政官、政治家やマスメディアなどを対象として、科学研究の重要性を認知していただくことを主な目的としています。最近、日本でアメリカ科学振興協会(American Association for the Advancement of Science, AAAS)に範を取り日本科学振興協会(仮称、Japanese Association for the Advancement of Science, JAAS)を立ち上げることが提案されました。AAASは広範な活動を展開していますが、アウトリーチやアドボカシーもその活動の重要な部分のようです。ただ、AAASや上述のJASS(仮称)も科学全般をカバーしていて脳科学に特化しているわけではありません。脳科学は、ご存知のように基礎科学、臨床科学、或いは心理学から工学まで広い分野をカバーする学際的な研究分野ですので、後述のように特にアドボカシー活動が必要とされています。

ボトムアップとトップダウン研究費
ご存知のように公的な研究費には研究者の自由な発想に基づいて申請或いは提案できるボトムアップ型と何らかのテーマや分野が指定されて公募されるトップダウン型の研究費があります。ボトムアップ型研究費の代表例は日本学術振興会が主に担当している科学研究費補助金(科研費)です。科研費は科学の全ての分野をカバーすると謳っていますが、採択数は分野によってかなり異なります。ただ、科研費採択の原則の一つは各研究分野で採択率をほぼ一定にするということのようですので、申請数の多い分野の採択が多くなるという極めて単純な原則で運営されているようです。例えば、脳科学の採択数を多くするためには申請数を多くすれば良いということになります。一方、科学技術振興機構(JST)や日本医療研究開発機構(AMED)からの研究費公募は分野や場合によっては目的が指定されていて大型の研究費は欲しいが応募できないとほぞを嚙むことがあります。何故、その特定の分野に限られたのか疑問に思った方が多いのではと思います。

トップダウン型研究テーマの設定は他の研究分野と競合
トップダウン研究費の分野やテーマ設定はもちろん文科省のような役所がトップダウンで上意下達で決めている訳ではないようです。役所にある種々の委員会の意見や時代の社会的要請をもとに戦略的重点研究分野が決められそれをもとにJSTやAMEDでしかるべき委員会や研究者からの意見聴取を経て決められているようです。問題はこの過程で分野間の激しい競争があるという現実です。例えば、現在のコロナ禍の時代ではウィルス感染症関係の研究は優先順位が高いことになります。「はやぶさプロジェクト」のように巷でも有名な宇宙開発研究分野も優先度が高くなるのかもしれません。かっての「選択と集中」という掛け声は現在力を失っていると思いますが、すべての分野に予算をつけることができないことは明白で分野間の競合と選抜が必須ということになります。この研究分野間の競争を勝ち抜いて脳研究に大きなプロジェクトをもってくるにはアドボカシー活動が極めて重要ということになります。

優れた若手の獲得も他の分野と競合
研究分野間の競合はトップダウンの大型研究費の取り合いに限った話ではありません。例えば、将来その研究分野で活躍するような有望な高校生や大学生を如何に引き込むかといった若手人材の取り合いがあります。ご存知のように、いかに優秀な高校生を引きこむかに関しては大学間にも競争があります。そのため大学によっては出前授業などを行っているところもあると聞いています。この若手を早い時期から引き付ける重要性は国際的にも認知され、脳研究分野では高校生などの若者を主な対象として公開講演会、病院や研究所の公開、体験学習などの行事を展開する「脳週間」が1992年に 米国で開始されました。それに呼応して、1997 年から欧州においても「脳週間」が実施され、2000 年からは、国際脳研究機構やユネスコの後援を受け、アジア、南米、アフリカの各国にも呼びかけ「世界脳週間」と銘打って世界的な行事になりました。我が国もこの「世界脳週間」の意義に賛同し、「脳の世紀推進会議」が主体となり、高校生を主な対象として 2000 年より参画しています。
また、これもご存知かと思いますが、文科省がJSTを通じて支援を行っている国際科学オリンピックと称する行事があります。この科学オリンピックは優秀な高校生を科学に引き付けることを主な目的として開催されています。現在、文科省が公式に財政支援しているものには、数学オリンピック、物理学オリンピック、生物学オリンピック等々がありますが、脳科学に関しては、残念ながら文科省から公式に財政支援は受けていません(2019年より文科省後援という名目的支援は受けていますが)。一方、1999年に米国で始まった脳科学に関するクイズ大会“ブレインビー”を母体とした活動が欧州諸国を巻き込んで国際ブレインビーとして発展してきました。日本でも数年前よりこの国際ブレインビーを脳科学オリンピックと呼び変えて、日本神経科学学会ブレインビー委員会が実務を担い、日本脳科学関連学会連合が主催、脳の世紀推進会議が共催という形で、優秀な高校生を日本代表として世界大会に送り出すという活動を推進してきました。研究室を運営しているPIの方には自明のことかも知れませんが優秀な院生やポスドクの獲得は極めて重要で、そのためには高校生の時から脳科学に興味を持たせる必要があります。

脳科学に特化したアドボカシー活動の重要性と「脳の世紀推進会議」の役割
我が国の脳科学研究のさらなる発展のためには、具体的には大型研究費の獲得や優秀な若手人材を脳科学研究に引き付けるためには、上述のように脳科学に特化したアウトリーチやアドボカシー活動は極めて重要です。ただ、個々の現役研究者にこのような活動を強いることは研究の妨げになるかも知れません。このような活動は現役研究者とその周囲にいる事務的業務をサポートする人達を加えた組織が担う方が良いと思われます。このような認識のもとに、「脳の世紀推進会議」は、1993年に脳研究関連の文部省(当時)重点領域研究の代表者が集まり、任意団体「脳の世紀推進会議」としてスタートしました。2003年には特定非営利活動法人(NPO)となり、現在まで、脳の世紀シンポジウムの開催、全国各地での世界脳週間講演会の開催、脳科学オリンピックの支援などの活動を行ってきました。

「脳の世紀推進会議」への参加を
この度、脳の世紀推進会議は事務局を移転するとともに新しい理事会体制を構築し、更なる発展を目指すことに致しました。日本の脳研究の推進のためにぜひこの機会に脳の世紀推進会議にご参加いただきたいと思います。入会の申込フォームは当法人ホームページhttp://www.braincentury.orgにあります。脳研究者の皆様は正会員として入会し、脳の世紀シンポジウムにおける講演者の推薦や総会における助言などで脳の世紀の運動をさらに盛り上げていただきたいと願っています。なお、正会員は脳の世紀シンポジウムへの出席登録やその記録のオンデマンド配信は優先的に受けることができますことを付言致します。

特定非営利活動法人(NPO)「脳の世紀推進会議」理事長 
日本神経科学学会名誉会員 津本忠治

2021年5月12日

IBRO-APRC Webinar Horizonsのお知らせ

国際脳研究機構アジアオセアニア地区委員会(IBRO-APRC)とアジアオセアニア神経科学連合(FAONS)は連携して、IBROの2nd Global Neuroscience Horizons Webinarを共催する運びとなりました。

今回のテーマは「 Translational neuroscience and novel therapeutics can yield new treatments for neurodegenerative diseases across the Asia/Pacific region 」で、日本からは柚崎通介先生(慶應大学)にご登壇いただきます。

日時は2021年5月31日(月)日本時間15時-18時半
参加希望の方は以下から参加登録をしてください。

Webpage
Here is the principal link to share for information on the webinar: https://ibro.org/horizons-webinar-2/

今後IBRO-APRCとFAONSでは、このようなアジア地域の研究者に向けたWebinarを定期的に行っていく予定です。
是非ともご参加ください。

日本脳科学関連学会連合代表
IBRO-APRC委員、FAONS Treasurer
伊佐 正

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IBRO is excited to announce our 2nd Global Neuroscience Horizons Webinar on 31 May 2021 with Profs. Jafri Malin Abdullah, Cliff Abraham, Julie Bernhardt, Michisuke Yuzaki, Amy Fu, & Yong Shen.

The webinar will focus on how translational neuroscience and novel therapeutics can yield new treatments for neurodegenerative diseases across the Asia/Pacific region and will be chaired by Prof. Pike See Cheah (chair, IBRO-APRC)& Dr. Lin Kooi Ong.

Registration is free and open to all!
https://ibro.org/horizons-webinar-2/

1.Webpage
Here is the principal link to share for information on the webinar: https://ibro.org/horizons-webinar-2/

2.Social media
You may share IBRO’s posts on social media platforms:

– On Twitter: https://twitter.com/ibroSecretariat/status/1390645881821618176?s=08
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2021年4月21日

日本学術会議の脳とこころの分科会主催シンポジウムのお知らせ

日本学術会議の脳とこころの分科会主催シンポジウムをお知らせします。

日本学術会議の脳とこころの分科会主催シンポジウム 
脳とこころ分科会シンポジウム

PDFのダウンロードはこちら

2021年3月15日

文部科学省の令和3年度の戦略的創造研究推進事業の戦略目標等の決定について

文部科学省から令和3年度の戦略目標の発表がありましたので、お知らせいたします。

令和3年度の戦略的創造研究推進事業の戦略目標等の決定について
(文部科学省ホームページヘ)
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2020/mext_00051.html

令和3年度戦略目標・研究開発目標
(文部科学省ホームページヘ)
https://www.mext.go.jp/content/20210312-mxt_kiso-000013144_1.pdf

(8) ヒトのマルチセンシングネットワークの統合的理解と制御機構の解明【JST/AMED】
(文部科学省ホームページヘ)
https://www.mext.go.jp/content/20210312-mxt_kiso-000013144_9.pdf

2021年2月2日

日本学術会議のアディクションシンポジウムのお知らせ

日本学術会議のアディクションシンポジウムをお知らせいたします。

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公開シンポジウム「現代社会とアディクション」の開催について

1.主 催:日本学術会議基礎医学委員会・臨床医学委員会合同アディクション分科会、基礎医学委員会神経科学分科会、臨床医学委員会脳とこころ分科会

2.共 催:なし

3.後 援:脳科学関連学会連合、日本生命科学アカデミー、
(公財)東京都医学総合研究所

4.日 時:令和3年3月28日(日) 13:30~17:00

5.場 所:オンライン開催

6.開催趣旨:アディクションは、物質依存のみならず行動嗜癖も含み、近年、特に
コロナ禍において大きな社会問題となっている。その研究・対策の必要性が法律でも
謳われているが、学術的な対策は不充分であり、病態解明や治療薬開発は進んでいな
い。医療現場での対策と同時に学術活動も進める必要がある。シンポジウムでは、今
日のアディクションに関する様々な問題を解決するための糸口を共有したい。

7.次 第:
司会:池田 和隆
(日本学術会議連携会員、東京都医学総合研究所参事研究員)

13:30 開会の挨拶
武田 洋幸
(日本学術会議第二部会部長、東京大学副学長)

13:40 メッセージ紹介
梶田 隆章
(日本学術会議会長、東京大学卓越教授)

13:50 講演
1. 松本 俊彦
(日本学術会議特任連携会員、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究セン
ター精神保健研究所薬物依存研究部長)
2. 諏訪 克之
(厚生労働省社会・援護局 障害保健福祉部・精神・障害保健課・依存症対策推
進室長)
3. 伊佐 正
(日本学術会議第二部会員、京都大学大学院医学研究科教授)
4. 菱山 豊
(文部科学省科学技術・学術政策研究所長)
5. 山脇 成人
(日本学術会議連携会員、広島大学脳・こころ・感性科学研究センター長、同
大学特任教授)

15:50 パネルディスカッション
パネリスト
高橋 真理子
(朝日新聞社科学コーディネーター、文科省ライフサイエンス課脳科学委�員会委員)
水澤 英洋
(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター総長)
松下 幸生
(久里浜医療センター副院長)

16:50 閉会の挨拶
池田 和隆
(日本学術会議連携会員、東京都医学総合研究所参事研究員)

8.参加登録:https://forms.gle/YfHkUwozTs4QwSLk7
事前参加登録締切:2021年3月18日(木)

9.問い合わせ先:addiction20210328@gmail.com

2021年1月5日

AMEDより新規脳研究事業2件の公募予告

AMEDより新規脳研究事業2件の公募予告が掲載されましたのでお知らせいたします。

https://www.amed.go.jp/koubo/15/01/1501A_00014.html

https://www.amed.go.jp/koubo/15/01/1501A_00015.html

2020年11月6日

第5回 (2021)ジョセフ・アルトマン記念発達神経科学賞の募集 (日本神経科学学会)

日本神経科学学会では第5回 (2021)ジョセフ・アルトマン記念発達神経科学賞の募集を11月1日より開始いたしました。

ジョセフ・アルトマン記念発達神経科学賞は「成体脳のニューロン新生」の発見者であるJoseph Altman博士の業績を記念し、発達神経科学の分野で目覚ましい研究成果を挙げ、将来一層の活躍が期待できる若手研究者を顕彰する賞として設立されました。Altman博士が2016年4月19日に逝去され、Altman博士の夫人であり、長年ともに研究を行って来られたShirley A. Bayer博士から当学会へ、発達神経科学に関する賞設立を目的とした寄付の申し出があり、同年の理事会において、当学会が本賞を設立し運営することが承認され、2016年より受託運営をしております。

応募者は当学会会員である必要はございません。国内外を問わず、神経科学に携わる新進気鋭の若手研究者からの多数のご応募を心待ちにしております。つきましては貴学会におかれましても本賞の募集情報を拡散していただけますようお願い申し上げる次第です。

募集詳細は下記Webページをご参照ください。

https://www.jnss.org/joseph-altman-award

募集期間 : 2020年11月1日~2021年1月31日

ご質問などございましたらお気軽に日本神経科学学会事務局
office@jnss.orgまでお問い合わせください。

2020年10月1日

会員学会年次大会情報を更新しました。

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