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脳科連バイマンスリーメールマガジン 2023年11月号(No.21)
http://www.brainscience-union.jp
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日本脳科学関連学会連合会員学会・連携法人会員及び評議員の皆さま

バイマンスリーメールマガジン2023年11月号(No.21)をお届けします。
お手数ですが、貴学会内の会員の皆さまへのメール配信をお願い致します。
❏今号のコンテンツ
・第10回脳科学オリンピック日本大会 : 松柳 佳奈 (1位日本代表)
・数学と脳科学の連携に向けたワークショップ:中江 健(自然科学研究機構, 生命創成探究センター, 特任准教授)
・産学連携諮問委員会の2023年の活動状況について:池田 和隆(産学連携諮問委員会委員長)
・第8回 (2024年)ジョセフ・アルトマン記念発達神経科学賞の募集開始のお知らせ(日本神経科学学会)
第31回脳の世紀シンポジウムのオンデマンド配信開始のお知らせ
・活動報告(10月~11月)
・事務局だより ・リレーエッセイは今月お休みいたします。次回は2024年1月号になります。

【10回脳科学オリンピック日本大会】
優勝者からのメッセージ
松柳 佳奈 (1位日本代表)
尊敬する神経科学界の皆様、こんにちは。私は、今年、脳科学五輪日本大会に優勝し、日本代表として世界大会に出場させていただきました松柳佳奈と申します。先生方のこれまでの継続的なご支援には、本当に感謝しています。今日は、とある高校生が、数学という抽象的な世界から、人間の脳という複雑な迷宮へ興味を拡げていった物語を共有させていただきます。私は神経科学に興味をもつずっと前から、数学とプログラミング言語に夢中になっていました。数学のもつ美しい構造、予測性と、コーディングのもつ創造的な力を組み合わせたとき、私は心から満足できる知的な調和を感じたのです。しかし勉強をはじめたころは、これらの知識を、神経科学の分野で活用できるようになるとは思っていませんでした。そのつながりを感じた最初のきっかけは、意思決定のベイズ理論に触れたことです。私は統計学と意思決定理論を洗練された形で融合することで、数学的フレームワークが複雑な認知プロセスをモデル化し、さらには予測できるようになるのではないかと気がついたのです。数学の揺るぎない論理と神経科学の複雑なシステムは、世界を理解するための共通基盤をもっていると心から思えたのです。
何かを学ぶ上で師匠の存在は強調してもしきれません。脳科学五輪のコーディネーターの奥村哲先生は、うっそうと繁る神経科学の森を進むための羅針盤を提供してくださりました。玉川大学脳科学研究所の松元健二先生の研究室を見学させて頂いて勉強していることも、私の成長の大切な礎となりました。特に、松森嘉織好博士にさまざまなガイドをして頂いているおかげで、私は神経科学研究が要求する工夫を凝らした分析に不可欠な数学能力を身につけつつあります。現在、私は幸運にも最先端の研究室の研究をまぢかで見学する機会を与えられ、神経科学の可能性を追求しています。この貴重な経験で得たことは、将来、私自身の研究テーマの理論的枠組みを支えてくれることでしょう。
さらに最近、あるグローバルプログラムを設立しました。そこではウェビナーを開催し、ニューロサイエンスへの熱意をさらに若い世代に拡げていこうと考えています。私を含めて神経科学に興味をもつ若い仲間たちの熱意や好奇心をつなぐ試みはとても刺激的な挑戦です。脳科学五輪の世界大会への参加など、これまでの活躍をとおして出会った世界中の若者たちの目には、私自身がはじめてこの世界に触れたときと同じ興奮や希望がもたらす輝きが映し出されています。その輝きをみると、ニューロサイエンスの未来が明るいことを確信します。私はそんな輝きをさらに多くの子供達に抱かせてあげたいのです。
わくわくするような限りない未来への入り口に立ちながら、今の自分を形作ってきた経験のタペストリーを振り返らせていただきました。神経科学の未来は、いや、すべての科学的探究の未来は可能性に満ちていることを感じます。この重層的で多面的な科学の世界に挑むレンズとして、これからも自らの独自の学びを続けつつ、時には勇気を持ってその境界線をさらに押し拡げる挑戦を続けていきたいと思っています。最後に、たくさんの素晴らしい機会と応援をくださった日本脳科学関連学会連合の先生方や先輩の皆様に、改めて心からの感謝の気持ちを表明させていただきます。
これからも、是非、私たちの成長を見守って頂けますと幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【数学と脳科学の連携に向けたワークショップ】
中江健
自然科学研究機構, 生命創成探究センター, 特任准教授
現在、国の事業として「脳神経科学統合プログラム」(令和3年度〜令和11年度、令和6年度要求・要望額93億円)が実施されており、来年度から新しく始まる重点研究課題として「デジタル脳の開発」が挙げられています.これについて,脳科学分野と数学分野と連携して研究を進めるため脳科学関連学会連合(脳科連)とマス・フォア・インダストリー・プラットフォーム(MfIP)が連携して,脳科学研究者と数学研究者とマッチングを進めることになりました.
本ワークショップは、脳科学分野と数学分野をつなぐため、脳科連とMfIPが連携して開催するものです.
このワークショップをきっかけとして,次年度から始まるAMEDの脳神経科学プログラムへ数学分野との連携の提案などが期待されています.この連携では、これまで関わってきた数学の分野に加え,純粋数学の諸分野など、脳科連側も想定していない多様な数学が多く関わるであろうことは容易に想像できます.そのような、すぐには役に立つかどうかわからないようなシーズを発掘し、脳科学のニーズとマッチングして、将来多くの共同研究プロジェクトにつながることが期待されます.是非、幅広い分野の脳科学研究者と数学研究者の方のご参加をお待ちしております.

・開催趣旨動画  https://www.youtube.com/watch?v=l0UVBmdrAms
・開催日程:2023年12月28日(木)10:00-18:00
・主催:日本脳科学関連学会連合(脳科連),マス・フォア・インダストリ・プラットフォーム(MfIP)
・開催場所:東京,九州大学日本橋サテライト912,913室
・Webページ
https://boatneck-weeder-7b7.notion.site/b86c9ea482b8422695c3d0e02a8148b7?pvs=4
・登録フォーム(12/14 17:00締め切り)
https://docs.google.com/forms/d/1tjKki9iFIatafcDf-f1_DRTAPZ-J3pra3Dyj6ty4rwU/

【産学連携諮問委員会の2023年の活動状況について】
産学連携諮問委員会委員長 池田和隆
本メルマガ2022年3月号および9月号でご紹介させていただきましたように、産学連携諮問委員会が設立されて脳科連連携会員制度が制定され、学術界だけではなく、産業界での脳科学者の意見も組み込んだ脳科学コミュニティの総意をまとめる仕組みが出来ました。脳科連連携法人会員には、2023年も本会員として6法人、一般会員として13法人、支援会員として7法人の、合計26法人にご加入いただいております。脳科連連携法人リストは以下の脳科連ウェブサイトのトップページに掲載されていますので、ご参照いただければ幸いです。

http://www.brainscience-union.jp/

2024年からの連携法人会員入会のための申請を受け付けておりますので、ご関心をお持ちいただけそうな法人様へ以下のサイトをご案内いただき、お声がけいただければ幸いでございます。

http://www.brainscience-union.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/bsu-renkei-annai_210111.pdf

産学連携諮問委員会は、2021年11月29日の第22回脳科連評議員会で設置が承認され、2022年4月22日の第24回評議員会で産学連携諮問委員会委員リストが承認されました。脳科連の運営は2023年1月から新体制となりましたが、産学連携諮問委員会委員の任期は2年なので、2024年4月まで委員任期と委員会運営体制は継続しております。なお、2023年に新たに伊佐正委員、梅田聡委員、中込和幸委員、松元健二委員、宮川剛委員が加わりました。

産学連携諮問委員会の会議は、2022年5月6日、10月24日、2023年3月8日に開催しており、議事内容は、以下の脳科連ウェブサイトに公開しております。

http://www.brainscience-union.jp/category/activity/sangaku

また、2023年11月29日に第4回会議を開催いたします(3度のプレ会議は開催済み)。

産学連携諮問委員会会議での議論を踏まえ、下記のように具体的な活動を行うワーキンググループ(WG)を5つ設置し、その中に適宜タスクフォースを設置しております。

産学連携諮問委員会
委員長:池田和隆、副委員長:萩原一平、阿部修
ワーキンググループ(WG)
WG1.健康・医療戦略対応(グループ長:尾崎紀夫)
WG2.未来の学術振興構想対応(グループ長:伊佐正)
WG3.バイオマーカー開発制度検討(グループ長:阿部修)
 TF1.脳MRI画像(形態、機能)(TF長:阿部修)
 TF2.電磁気生理学的計測法(EEG、MEG、NIRSなど)(TF長:池田昭夫)
 TF3.遺伝子解析や液性バイオマーカー(TF長:未定)
 TF4.Behavior and Psychological Symptoms(TF長:未定)
WG4.脳科学産学連携基盤関連法制度検討(グループ長:池田和隆)
 TF1.分散型臨床試験推進(TF長:住吉太幹)
 TF2. デジタルブレイン(TF長:武見充晃)
 TF3.ドラッグリポジショニング推進(TF長:池田和隆)
 TF4.インフォメーションメディスン推進(TF長:本田学)
WG5. 製薬協会員会社脳科学連携(グループ長:石山健夫)

WG1では、内閣府健康・医療戦略室などと連絡を取って検討を進めております。「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 2023」の「6.官民連携による科学技術・イノベーションの推進、(2)健康・医療」に、「①認知症等の脳神経疾患の発症・進行抑制・治療法の開発」が記載されたこと、また、いわゆる骨太方針の「経済財政運営と改革の基本方針 2023」でも同様に記載されたことは、
大きな意味があると思われます。

新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/pdf/ap2023.pdf

経済財政運営と改革の基本方針 2023
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2023/2023_basicpolicies_ja.pdf

WG2では、グループ長の伊佐正委員(前脳科連代表)および前グループ長の高橋良輔(脳科連代表)が、日本学術会議での神経科学分科会および脳とこころ分科会の委員長でもあり、WG2および将来構想委員会や学術会議分科会でも検討を進め、日本学術会議の「未来の学術振興構想」に提案し、グランドビジョンに採択されました。また、将来構想委員会と連携して脳科学の将来構想を検討し、伊佐委員と高橋委員は、文部科学省ライフサイエンス課脳科学作業部会でのプレゼンテーションなども行いました。
2024年度から、「脳神経科学統合プログラム(仮称)」が予定され、その中に「企業との共同研究枠」と「産学官コンソーシアム」が盛り込まれたことは意義深いと思います。

No.38 (グランドビジョン⑤,⑦)脳型重層研究網と個別化医療システム網による統合知が導く多様な個の脳・こころと環境のウェルビーイングが共存する「和の社会」構想
https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-25-t353-3-38.pdf

脳神経科学統合プログラム(仮称)
https://www.lifescience.mext.go.jp/files/pdf/n2391_05.pdf

WG3では、産学連携諮問委員会やその前身の準備WGでその必要性が多く指摘された、バイオマーカーの産学連携開発制度を検討しています。上記のようにタスクフォースを4つ設置することとなり、今後より具体的な活動を行います。

WG4では、上記の4つのタスクフォースが活動しており、藤原康弘PMDA理事長との面談、米国FDAの開発部署の長官らとのオンライン会議や、OECDやUNESCOでの該当活動への貢献準備などを進めております。武見充晃TF長の従伯父様の武見敬三参議院議員が厚生労働大臣、盛山宗太郎TFメンバーのお父様の盛山正仁衆議院議員が文部科学大臣にそれぞれご就任されたことも、本WGの活動推進に追い風となっていることと思います。

WG5では、WG1-4のグループ長および日本製薬工業協会(製薬協)に加盟している脳科連連携法人会員の企業からのメンバーで構成されています。製薬協は、調査能力や横断連携、発信力に優れているので、良い形で脳科連と連携していただけるようにWG5として活動しております。脳科連と製薬協が連携する上での窓口となるとともに、政府等に有意義な政策提言を効果的に発出していくことを目指しています

産学連携諮問委員会では、脳科連外部の産学連携先導者から学び、ご助言いただく機会として、クローズドなオンライン講演会を企画してきています。第1回は国立がん研究センター研究所長の間野博行先生にご講演いただいたことを前回のメルマガでご紹介いたしましたが、第2回は、2023年3月31日に当時製薬協会長でいらした岡田安史エーザイ株式会社代表執行役COOにご講演いただき、多くのご教示とご助言をいただきました。

国会議員や官僚、政府外郭団体職員の皆様からもご助言をいただく機会をいただいております。今後も、脳科連内外からのご理解・ご期待・ご支援・ご指導をもとに、引き続き産学連携の制度をよりよくするための活動をして参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

【第8回 (2024)ジョセフ・アルトマン記念発達神経科学賞の募集 (日本神経科学学会)】
日本神経科学学会では第8回 (2024年)ジョセフ・アルトマン記念発達神経科学賞の募集を11月1日より開始いたしました。
募集詳細は下記Webページをご参照ください。
https://www.jnss.org/joseph-altman-award

募集期間:2023年11月1日~2024年1月31日

ご質問などございましたらお気軽に日本神経科学学会事務局 office@jnss.org までお問い合わせください。

第31回脳の世紀シンポジウムのオンデマンド配信開始のお知らせ
去る11月18日に開催されました、睡眠と脳をメインテーマとした「第31回脳の世紀シンポジウム」は、お陰様で盛況裡のうちに終えることができました。
https://www.braincentury.org/brainsympo/31/
このシンポジウムの録画を、12月24日(日)まで、オンデマンド配信をさせて頂いております。
質疑応答を含めた講演の他、柳沢正史先生を含めた全講演者によるパネルディスカッションもご視聴いただけます。
種々のご事情で見過ごされた方、或いは再度視聴されたい方は、下記より参加登録の上ご視聴を頂けますと幸いです。
【第31回脳の世紀シンポジウム 参加登録のご案内】
https://activenet-tv.jp/brain31/

既に参加登録を頂いております際は、ホームページよりご視聴頂けます。
https://online-conference.jp/brain31/login

【事後オンデマンド参加費】
脳の世紀推進会議 会員 無料
非会員 1,000円
皆様のご参加を是非お待ちしております。

【活動報告(10~11月)】
・第34回運営委員会(10月22日)
・第4回産学連携諮問委員会(11月29日)

【事務局だより(主に会員学会事務局向け)】
・評議員の変更がございましたら、事務局までご連絡をお願いいたします。
・メールマガジン内容へのご意見やお問い合わせは、貴学会の事務局経由でお願いします。

(代理発送)
日本脳科学関連学会連合事務局
office@brainscience-union.jp

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