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脳科連バイマンスリーメールマガジン 2021年7月号(No.7)
http://www.brainscience-union.jp
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日本脳科学関連学会連合会員学会及び評議員の皆さま

バイマンスリーメールマガジン2021年7月号(No.7)をお届けします。
お手数ですが、貴学会内の会員の皆さまへのメール配信をお願い致します。

❏今号のコンテンツ
・伊佐代表2年目へ向けてのご挨拶
・第6回リレーエッセイ:日本認知症学会
・活動報告(6〜7月)
・広報委員会からのお知らせ
・事務局だより

【伊佐代表2年目へ向けてのご挨拶】
2年目の活動に向けて
日本脳科学関連学会連合 代表 伊佐 正

去る6月30日の評議員会をもって、私の代表としての任期も折り返し点を過ぎました。
前半の一年はCovid-19の蔓延という何とも特殊な状況下で過ぎました。
その評議員会の際にも話題にさせていただきましたが、脳科連は大きなターニングポイントを迎えています。

一つには、これまで発足期から事務体制を支えていただいていました理化学研究所脳神経科学研究センターの事務局が、理研の事務体制の変更に伴い、事務局業務を継続することができなくなり、新しい事務体制を外注というかたちで再構築しなくてはいけなくなりました。これまで理研の担当者の方には献身的に業務を行っていただいておりました。感謝の念に堪えません。一方で新しい事務局体制を円滑に組み立てることが私の残りの仕事の少なからぬ部分を占めることになります。そして、それに伴い、必要経費が増大します。そこで大変心苦しいことですが、各会員学会には現在、会費の増額についての是非をご検討いただいているところです。
何卒ご理解をいただきますよう、宜しくお願い申し上げます。

他方、「脳科連だからこそできること」について、新しい方向性も模索しています。
一つは産学連携の推進で、これまで個別の学会とはお付き合いがあった企業がより脳科学の他の分野にも展開されたい時に連携できる体制として、産学連携委員会の
設立を検討しています。それとともにご協力いただける企業に賛助会員になっていただくことを検討しています。

また、会員学会の中には自前で国際的な学会誌を維持してこられたものの、その将来の方向について懸案事項となっている学会も少なからずおありとお伺いし、そういった複数の学会が連携してジャーナルを作る可能性についても将来構想委員会を中心に検討を始めていただいています。

そして、先日の評議員会での運営委員の交代に関わる選挙において、脳科連におけるジェンダーダイバーシティの欠如が指摘されました。結局選挙の結果として女性に運営委員にお入りいただくことはできませんでしたが、候補となられた鈴木匡子先生(日本神経心理学会)には残り一年間、代表補佐として拡大運営委員会にお加わりいただき、様々な観点からのご意見をいただくことに致しました。

間もなく、脳科連も10年の節目を迎えます。学会連合としての発足の理念を忘れず、一方で新しい時代にマッチした形での向かうべき道を模索しております。今後一層、
会員学会の皆様からのご意見、ご指導が益々重要になって参りますので、何卒宜しくお願い申し上げます。

【第6回リレーエッセイ】
岩坪威運営委員(日本認知症学会)
本邦で認知症を持つ人の数は500万人を越えてなお増加し、認知症の前段階として注目される軽度認知障害(MCI)の方もほぼ同数が見込まれています。
認知症の半数以上を占めるアルツハイマー病(AD)をはじめとする様々な認知症性疾患の研究をさらに充実させ、社会全体で認知症に取り組むことが求められる状況に至っています。
日本認知症学会は、1997年に基礎研究者や神経病理研究者が中心となって出発しました。
その後認知症医療の急速な拡大とともに、神経内科、精神科をはじめとする様々な臨床科の医学研究者に加えて、企業研究者、行政関係者までを包含する多職種の会員から構成されるユニークな学際的学会として発展を続け、現在の会員数は5500名に達しています。
近年、アルツハイマー病のメカニズムに作用する「疾患修飾薬」の開発が進み、ADの病因因子として最重要と考えられるアミロイドβに対する抗体医薬としてaducanumabが米国FDAにより迅速承認されたことは記憶に新しいところです。Aducanumabの治験は世界的にも難航を極めましたが、臨床症状増悪の抑制効果を予測(代理)する「サロゲートバイオマーカー」としてアミロイドβやタウなどの病因タンパク質の動態が重視されたことは、基礎的な研究成果の治療への橋渡しを強く印象づけるできごとでした。
このような動きと並行して、認知症に悩まれる人にさらに良いケアや生活を提供しつつ、社会における共生を実現することも喫緊の課題となっています。
このように認知症学は、生物医学に加えて人文・社会科学の要素も包含する総合的な脳科学として発展しつつあります。
本年11月26〜28日に東京国際フォーラムにおいて、「病態研究から治療そして共生へ」をテーマに、第40回日本認知症学会学術集会を開催します。基礎研究や研究技術の進歩、疾患修飾薬開発の最新状況、画像・バイオマーカーの最前線、予防、合併症、ケアから社会制度までを広くカバーし、オンサイトとオンラインのハイブリッドで運営する予定です。
COVID-19が一刻も早く終息を迎え、脳科学学会連合の仲間の先生方と、有楽町でお目にかかれることを祈っています。

次回のリレーエッセイは岡部繁男代表補佐にバトンタッチされます。

【広報委員会からのお知らせ】
・次号のメールマガジン(No.8)は9月下旬の発信を予定しています。
・脳科学豆知識:このコーナーは脳科学に関して一般の方向けに分かりやすく解説しています。
 学会間リレーの第一弾は、日本アルコール・アディクション医学会となります。
 貴会の若手研究者の方のご投稿をお待ちしております。

【事務局だより(主に会員学会事務局向け)】
・年会費変更の議事への回答期限は2021年9月30日(木)となっております。
 詳細は、7月5日発信のメールにてご確認ください。
・事務局業務は、8月より公益財団法人農学会に委託される予定です。
・年会費の振込みのお願いを8~10月中旬、脳科学オリンピックの寄附金の振込みのお願いを11月~12月中旬で行う予定です。ご協力をよろしくお願い致します。
・評議員の変更がございましたら、随時、日本脳科学関連学会連合事務局までご連絡をお願いいたします。
・メールマガジン内容へのご意見やお問い合わせは、貴学会の事務局経由で以下までお願いします。

❏日本脳科学関連学会連合事務局