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脳科連バイマンスリーメールマガジン 2022年1月号(No.10)
http://www.brainscience-union.jp
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日本脳科学関連学会連合会員学会及び評議員の皆さま

バイマンスリーメールマガジン2022年1月号(No.10)をお届けします。
お手数ですが、貴学会内の会員の皆さまへのメール配信をお願い致します。

❏今号のコンテンツ
・伊佐代表のご挨拶 -新たな年に向けて
・科学研究費 神経科学分野についてのアンケートの報告
・NPO法人「脳の世紀推進会議」会員の皆様へのメッセージ
・第9回リレーエッセイ:石川義弘(日本生理学会理事長)
・広報委員会からのお知らせ
・事務局だより

【新たな年に向けて】
日本脳科学関連学会連合 代表 伊佐 正

年が明けて既に1か月が経とうとしていますが、皆様、新年をどのようにお迎えでしょうか?
既に年末までの他国の感染拡大からある程度予見されていたことですが、オミクロン株の感染力は凄まじく、これまでにない急激な感染拡大を目の当たりにしています。
既にワクチンを接種している人での重症化率は低いようですが、それでも母数が増えてくるとそれなりの人数が重症化しますし、亡くなられる方も出て参ります。さらに濃厚接触者の扱いが難しく、既に社会機能の停止が随所で起きています。「コロナもそろそろ終わり」と思いたいところですが、コロナとの闘いが新しいフェーズに入ったことは間違いありませんが、まだまだ予断を許さない状況でしょうか。
脳科学関連学会連合では、なかなか対面での交流ができていない状況が続いておりますが、昨年から本年にかけていくつかの変化がありました。
まずは事務局が昨年夏より、理化学研究所から新しく「(公財)農学会」に移り、黒住圭子様に担当いただいています。後述のように新たな業務が増え、まだ手探りの部分もありますが、前任からの引継ぎもきちんとしていただき、まずは順調な滑り出しと思います。
もう一つは、産学連携に関する取り組みです。個々の学会単位では既に産学連携はそれぞれに進められていることと思いますが、一方で、我々アカデミアと産業界と連携して政策提言をするようなルートがないという問題提起を受けておりました。そこで、脳科連として産学連携諮問委員会を新たに立ち上げ、各種企業にも連携法人会員となっていただき、産学連携に関する政策提言について協議する場を設けることにしました。これについては、運営委員会でワ-キンググループを立ち上げて手順を踏んで意見聴取をしていただき、最終的には評議員会にもご承認いただきました。一方で1月31日を締め切り日として現在法人会員の募集、そして産学連携諮問委員会の委員を決めるプロセスを進めています。その間、意見聴取や評議員会での審議におきましては、各学会独自の産学連携とバッティングするのではないかといったことなど慎重論のご意見も多数ありました。そのようなご懸念を真摯に受け止め、諮問委員会の立ち上げと活動を進めて参りたいと思います。既に20社近い企業が参加の意向を表明されており、産業界からの期待の高さも伺えます。
このような期待にも答えられるような組織作りをして参りたいと思います。
脳科連は、個々の学会ではなかなか解決しにくい問題に連携することで道を開き、引いては脳科学全般の振興により社会に貢献することを旨とする組織であると考えています。
本年も、会員学会の皆様からの意見・ご指導をいただき、着実に責務を果たして参りたいと思い参りたいと思います。何卒宜しくお願い申し上げます。

【科学研究費 神経科学分野についてのアンケートの報告】
昨年10月にご案内させていただきました「科学研究費神経科学分野についてのアンケート」につきましては、多数の方にご回答いただきました。
その結果について、呼びかけをされた学術センターシステム研究員の平田たつみ先生よりご報告をいただきました。
アンケート結果は日本脳科学関連学会連合のHPに掲載されています。

【NPO法人「脳の世紀推進会議」会員の皆様】
へのメッセージを以下に掲載させていただきます。

新年明けましておめでとうございます。昨年中はたいへんお世話になりました。
昨年は世界中がコロナ禍に蹂躙され、さらに終盤に新しい変異株が出てきて終息への希望が先延ばしとなった年でしたが、皆様方におかれましても、公私に渡り大きな影響を受けられたこととご推察申し上げます。
そのような中ではございましたが、NPO法人「脳の世紀推進会議」は4月に事務局を移転し、新しい運営体制のもと、新たな一歩を踏み出すことが出来ました。また、9月には国立情報学研究所の喜連川優所長や新進気鋭の研究者をお迎えし「デジタル化と脳」という現代日本社会の要請にあった脳の世紀シンポジウムをオンラインで開催し、その記録をオンデマンドで配信致しました。
さらに、主に高校生など将来を担う若者を対象とした世界脳週間行事をコロナ禍という状況のなか全国10箇所で開催致しました。このような困難な状況の中でも当法人の使命を予定どおり果たすことができましたこともひとえに皆様方の多大なるご理解とご支援のおかげでございます。
改めまして、この場をお借りして御礼申し上げます。
現在、2022年の脳の世紀シンポジウムをポストコロナ時代における脳研究の将来を展望する契機とすべく新しく立ち上げたワーキンググループで検討中でございます。プログラムが固まり次第皆様にお知らせ致します。
以上、長文のメールを最後までお読みいただき、たいへん有難うございました。
今年も何卒よろしくお願い申し上げます。

NPO法人「脳の世紀推進会議」
理事長 津本忠治
副理事長 樋口輝彦 水英洋
理事 川人光男 大隅典子 伊佐正 吉峰俊樹
監事 本田学

【第9回リレーエッセイ】
石川義弘(日本生理学会理事長)
日本解剖学会の渡邉雅彦理事長からのリレーバトンを頂いた石川義弘です。
私は2020年度から日本生理学会の理事長を務めさせていただいております。
日本生理学会の設立は1922年ですので、来年でちょうど100周年を迎えます。京都大学の伊佐正先生に第100回記念大会の大会長をお願いし、前日本生理学会理事長の丸中良典先生に100周年記念事業の委員長として一世紀の歴史のとりまとめをお願いしております。
2023年3月に京都で開催されますが、これまでの百年を振り返り、次の百年にどのように生理学を伝承していくのかを考えます。
日本生理学会の発足は、世界的にスペイン風邪が猛威を振るった100年前でした。世界史では13世紀から続いたオスマン帝国が歴史を閉じた年に当たります。100周年を迎える今日では、スペインならぬコロナが世界を脅威にさらしました。わずか40人足らずの有志が創立メンバーでしたが、100年後の今日には3000人近い会員を有する大きな組織に成長することができました。
日本生理学会は他の学会とのつながりを重視してきました。脳科連のような連合活動はもちろんですが、基礎系の諸学会、とくに解剖学会や薬理学会とは大会開催での連携を続けており、それぞれの学会と合同大会を開いて参りました。2021年3月には第98回大会を名古屋で開催し、これは第126回日本解剖学会総会・全国学術大会との合同開催で、研究手法は異なるが同じ研究興味を共有するたくさんの方々のご参加を頂くことができました。今後もこのような共同事業をさらに発展させることができればと考えております。
生理学は、脳科学を始めとし、幅広い分野の研究を含みます。循環器や消化器、内分泌学はもちろんのこと、環境医学や運動生理、あるいは看護や生体工学にいたるまで、医学とその関連分野の研究を広く抱合するのが特長です。また次世代の育成のためには、生理学教育を充実させることも必要であると考え、学会の専門分野には生理学教育の項目立てもあります。学会認定のエデュケーター制度も発足し、生理学教育をどのように進めればよいかについての知識や技術の普及を図っています。
学会が発行する英文学術雑誌として、Journal of PhysiologicalSciencesがあります。
Japanese Journal of Physiologyとして1950年に創刊されました。初期は国内からの投稿が多かったのですが、学会の成長とともに国外からの投稿が大幅に増えました。そのため、2005年にはournal of Physiological Sciencesと名称を変更し、今日ではオープンアクセスを採用した
文字通り国際学術雑誌に成長しました。生理学の分野では有数の歴史を持ち、我が国が世界に誇れる学術雑誌と成長しました。
昨今の日本の研究については、国際的な競争力の低下が危惧されています。若手の基礎研究離れも深刻な問題となっています。我々がどの方向を向き、次世代の研究者にどのような道筋を示すことができるのか、これからも脳科学連合の皆様と一緒に考えることができればと思います。

次回のリレーエッセイは黒田輝先生(日本磁気共鳴医学会)にバトンタッチされます。

【広報委員会からのお知らせ】
・知ってなるほど!脳科学豆知識:脳科学にして一般の方向けに分かりやすく解説しており人気のコーナーです。第23回から会員学会(五十音順)のリレー形式となりました。第23回は日本アルコール・アディクション医学会、第24回は日本解剖学会からご寄稿いただきましたこと、御礼申し上げます。
・情報共有・情報交換についてのお願い:現在、全国的に第6波の高波が押し寄せています。
このような状況の中、学術集会を含め、各学会におきましてどのような取り組みを実施されているかまた、今後どのような計画をされているかなど、ご寄稿いただければ大変に有り難く存じます。
メルマガに掲載させて頂き、皆様と情報共有しながら情報交換の場となれば幸いに存じます。
office@brainscience-union.jp にて随時、メールを受け付けます。
ご寄稿をお待ちしています。

【事務局だより(主に会員学会事務局向け)】
・評議員の変更がございましたら、随時、日本脳科学関連学会連合事務局までご連絡をお願いいたします。
・メールマガジン内容へのご意見やお問い合わせは、貴学会の事務局経由で以下までお願いします。

(代理発送)
日本脳科学関連学会連合事務局