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脳科連バイマンスリーメールマガジン 2023年5月号(No.18)
http://www.brainscience-union.jp
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日本脳科学関連学会連合会員学会・連携法人会員及び評議員の皆さま

バイマンスリーメールマガジン2023年5月号(No.18)をお届けします。
お手数ですが、貴学会内の会員の皆さまへのメール配信をお願い致します。
❏今号のコンテンツ
・新副代表のご挨拶:加藤 忠史(日本生物学的精神医学会理事長)
・第6期脳科学将来構想委員会の活動報告:勝野 雅央(脳科学将来構想委員会委員長)
・第17回リレーエッセイ:大隅 典子(日本神経精神薬理学会前理事長)
・活動報告(4月~5月)
・事務局だより

【新副代表のご挨拶】
加藤忠史 (日本生物学的精神医学会理事長)
 この度、脳科学関連学会連合の副代表に選任されました加藤忠史と申します。高橋良輔代表を支え、本連合の活動のお手伝いをさせていただければと思います。私は、日本生物学的精神医学会の理事長を務めており、同学会の代表として本連合に参加させていただいております。
脳科連は、官庁などとの交渉の上で、まずは学会の意見をまとめる必要があるということで設立されたと伺っております。 30の参加学会中、7つの学会の会員というのは、多い方かも知れません。
これまで臨床教室で15年、研究所で20年過ごしましたので、臨床と基礎をつなぐことに少しでも尽力できればと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【第6期脳科学将来構想委員会の活動報告】
脳科学将来構想委員会 委員長 勝野雅央 (名古屋大・院医・神経内科学)
 2023年5月に第6期脳科学将来構想委員会の委員長に選任いただきました。高橋良輔代表の下、微力ではございますが脳科学コミュニティの発展に向けて皆様と力を合わせて歩んでまいりたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 脳科学将来構想委員会は、脳科学研究の将来像や今後解決すべき課題群について議論し、学術の大型研究に関する方向性などの提案取りまとめなどの大役を担っています。前期は伊佐代表の下で花川隆先生が本委員会の委員長を務められ、2025年度末で終了する革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト(革新脳)と戦略的国際脳科学研究推進プログラム(国際脳)の後を担う事業について提案をまとめ、文部科学省ライフサイエンス委員会の脳科学作業部会にて本提案が提示されました。また、日本学術会議の学術研究の大型プロジェクト「未来の学術振興構想」に脳型重層研究網と個別化医療システム網による統合知が導く多様な個の脳・こころと環境のウェルビーイングが共存する「和の社会」構想を提案し、採択されました。
伊佐先生、花川先生をはじめ前期脳科学将来構想委員会の先生方のご尽力に敬意を表します。
 今期は、これまでの成果をもとに今後の脳科学研究のあり方を議論・発信していくことが必要になると思います。脳とこころの研究推進プログラムとしては、革新脳、国際脳の他に精神・神経疾患メカニズム解明プロジェクト(疾患メカ)と領域横断かつ萌芽的脳研究プロジェクト(横断萌芽)も2026年度末で終了し、脳とこころの研究推進プログラム自体も2029年度末までであることから、これらの先を見据えた議論が必要になってくると思われます。未来の学術振興構想の提案内容にまとめられているように、「ヒト神経生物学」の推進に向けて、細胞~動物レベルの多層データの集積・共有とヒト組織での検証により、ホモ・サピエンスで特異的に発達した脳機能の解明とそれを脅かす加齢性変化や疾患のメカニズムを解明し、健やかな脳を育み護る研究が必要です。
そのための基盤整備に本委員会の活動が貢献できるよう努めてまいりたいと思います。
 引き続き多くの先生方にご指導いただくことになりますが、第6期脳科学将来構想委員会へのご支援をよろしくお願い申し上げます。

【第17回リレーエッセイ】
日本神経精神薬理学会(https://www.jsnp-org.jp)前理事長 大隅典子
 日本生物学的精神医学会(JSBP)理事長の加藤忠史先生よりバトンを受け取りました。
日本神経精神薬理学会(JSNP)前理事長の立場より同学会のご紹介をさせていただきます。
 1971年に精神薬理談話会として発足した本JSNPは、半世紀余の歴史があります。精神薬理学の学際的研究発表の場としての役割だけでなく、臨床精神医学、薬理学、脳科学の研究者間、最近では薬剤師との情報交換と人的交流の場としても活動しています。また、JSNPは国際神経精神薬理学会(CINP)やアジア神経精神薬理学会(AsCNP)の日本の窓口としての役割を果たし、国際連携を強化するとともに、HPやSNS等を通じて、日本からの学術情報発信に積極的に取り組んでいます。
 本学会の目標は、最新の脳科学を応用した精神・神経疾患の病態解明を通じて、有効性と安全性の高い医薬品開発を試み、さらに臨床研究へと展開することです。これにより、実用性のある精神・神経疾患の薬物療法を確立することを目指しています。また、関連する日本精神神経学会(JSPN)や日本臨床精神神経薬理学会(JSCNP)と連携した「統合失調症薬物治療ガイドライン2022」や、日本不安症学会と連携した「社交不安症の診療ガイドライン」を発出するなど、患者や医療関係者に役立つ情報提供に尽力してきました。
 実は、ちょうど新型コロナ感染症が始まった2020年に同学会の大会長を仰せつかっておりました。
50周年の記念の大会として、第42回JSBPおよび第4回日本精神薬学会(JSPP)と合同で、仙台のの国際センターを会場として予定していたのですが、完全オンラインでの開催となってしまったことはとても残念でした。国際大会のCINPやAsCNPもこの3年間の間はオンライン中心でしたが、今年5月、久しぶりに対面のCINP大会がカナダのモントリオールで開催され、日本からはカナダ、米国に次いで3番目と数えられる多数の参加者がありました。来年、東京で開催されるCINP2024(第54回JSNPおよび第34回JSCNPとの合同)の宣伝をしっかり行うことができたと思われます。
 国際交流とともに、本学会は若手研究者の育成にも努めており、学会賞として学術奨励賞や鍋島賞などを設けています。また、学会のオフィシャルジャーナルとして「日本神経精神薬理学雑誌」を擁しておりましたが、2018年より「Neuropsychopharmacology Reports」というオープンアクセスジャーナルをWiley社傘下で発行しています。サウンドネスを重視し、科学的・技術的に健全であれば、ネガティブデータや追試、イントロやディスカッションを省いたマイクロレポートも歓迎するというユニークな立ち位置です。2021年からはJSCNPの学会誌にもなりました。
 モントリオールの国際会議では、精神疾患への治療アプローチとして、薬剤を用いるだけでなく、電気的・磁気的な脳深部刺激や、タブレットに組み込んだアプリケーションによる認知心理学的な介入などもさかんに報告されていたことが印象的でした。今後、精神疾患の治療に関して、工学や情報科学等の分野との学際的な連携がいっそう求められていることを痛感しました。
脳科連のメンバーである本学会は、引き続き学術的な交流の場としての役割を果たしつつ、異なる専門分野や国籍を持つ研究者や医療関係者、薬学関係者の情報共有や人的交流を通じてお互いの知識と経験を豊かにし、脳科学分野全体の発展に貢献していくものと期待されます。
 2020年にオンライン開催となったNPBPPP3学会合同大会の仇は、本年、仙台で開催される、
日本神経科学大会(福島医科大学の小林和人先生の大会長のもと実行委員長を務めます)で打つことを期待しつつ、脳科連リレーエッセイのバトンを同学会の理事長である柚崎通介先生にお渡ししたいと思います。

次回のリレーエッセイは日本神経科学学会理事長の柚崎通介先生にバトンタッチされます。

【活動報告(4~5月)】
・第1回将来構想委員会(5月21日)
【事務局だより(主に会員学会事務局向け)】
・2023年度運営費のご送金を7月1日付けでお願いする予定です。
・評議員の変更がございましたら、事務局までご連絡をお願いいたします。
・メールマガジン内容へのご意見やお問い合わせは、貴学会の事務局経由でお願いします。

(代理発送)
日本脳科学関連学会連合事務局
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〒113-8657 東京大学農学部内
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