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脳科連バイマンスリーメールマガジン 2023年9月号(No.20)
http://www.brainscience-union.jp
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日本脳科学関連学会連合会員学会・連携法人会員及び評議員の皆さま

バイマンスリーメールマガジン2023年9月号(No.20)をお届けします。
お手数ですが、貴学会内の会員の皆さまへのメール配信をお願い致します。
❏今号のコンテンツ
・脳科連連携法人本会員のご挨拶文:萩原 一平(一般社団法人応用脳科学コンソーシアム理事)
・脳科学オリンピック 結果報告:奥村 哲(脳科学リテラシー委員会委員長 )
・第19回リレーエッセイ:銅谷 賢治(日本神経回路学会会長)
・第31回脳の世紀シンポジウムのお知らせ
・活動報告(8月~9月)
・事務局だより

【脳科連連携法人本会員のご挨拶文】
一般社団法人応用脳科学コンソーシアム理事・事務局長
萩原 一平
皆さま、たいへんお世話になっております。(一社)応用脳科学コンソーシアム(略称 CAN:Consortium for Applied Neuroscience)の理事・事務局長として事務局運営を行なっております。
また、株式会社NTTデータ経営研究所のフェローとして、同社のニューロイノベーションユニットの支援を行なっております。
脳科連では、産学連携諮問委員会の副委員長として、微力ではございますが、池田委員長をサポートさせて頂いています。
私は、多くの会員の皆様とは異なり、脳科学の専門家でも、研究者でもありません。三菱電機で、10数年にわたり、設計開発を中心にメーカで行なう様々な業務に携わり、その後、住友系のシンクタンクである日本総合研究所で環境ビジネスの創出、環境関連法律制定の支援、異業種コンソーシアムの運営等を経験させて頂きました。さらにその後、NTTデータ経営研究所に移籍し、最初は環境のコンサルティングチームを立ち上げ、その後、地域経営チーム、医療経営チームを立ち上げました。今から20年近く前になりますが、この両チームを立ち上げた際に、当時、既に地方の高齢化問題、認知症問題が大きな課題になっており、そこで初めて、脳科学の重要性を認識しました。
そして、産業応用に活用できるのではないかと調査したところ、私たちが知っている欧米の自動車、電機、食品、化粧品、等々、様々な分野のグローバル企業には、脳科学、心理学の博士号を持つ研究者がいたり研究部門があったりして、いろいろな論文発表をしていることを知り、愕然としました。
当時から、日本でも、電気、機械、化学等、工学系は博士号を持った研究者は企業に結構いましたが、脳科学はもちろん、心理学、行動科学等の博士号を持った研究者を抱えている企業は、製薬会社、医療機器メーカ等を除き、極めて少なかったと認識しています。企業は、消費者、顧客、従業員等、市場、社会など様々なところで人と関わりがあるにもかかわらず、人の専門家がいないという状況だったのです。そこで、脳、心理、人間分野の研究者と企業をつなぐ場を創出する必要があるのではないかと考えました。これが応用脳科学コンソーシアムを創設したきっかけでした。
さて、今、Well-beingが重要なキーワードになっていますが、医療とヘルスケア、そしてエンパワーメントまで、その境界を引くことが難しくなっています。また、DE&Iの観点からは医療的アプローチと社会的アプローチの融合が求められたりしています。
IT、とりわけAIの急速な進化に伴ない、フェイクニュース、生成系AIの創造物(画像、文章等)をはじめ、様々な情報が人間、そして社会に影響を与える時代に突入しています。中国では第6の戦略領域として人間の認知領域を含めて研究開発を推進しているとも言われています。経済安全保障の観点からも、脳科学、心理学研究はたいへん重要になっています。それゆえ、今後、ますます、脳科学、心理学等とAIの融合分野の研究開発が重要になってくるのではないでしょうか。
脳科連の役割は、様々な垣根を超えた融合的な人間研究・産業応用に関する取組みの実現に向け活動することであると考えています。
日本の科学技術・研究開発は大変厳しい状況にあると認識しており、たいへん微力ではございますが、皆さまのご指導ご支援を頂きながら脳科学関連の研究開発・社会応用に貢献すべく活動していく所存でございます。何卒、よろしくお願い申し上げます。

【第10回脳科学オリンピック 結果報告】
脳科学リテラシー委員会委員長
奥村 哲
第10回脳科学オリンピック日本大会は、4月にCBTで行われた予選参加者のうち、上位8名を予選通過者とし、6月18日に日本代表と最終順位を決めるファイナル試験を対面で行いました。
その結果、以下の順位が確定いたしました。なお、この入賞者8名は、第46回日本神経科学学会大会(8月1~4日@仙台)に招待され、期間中に表彰式が行われました。また副賞として、ベアーら(監訳:藤井聡)の「神経科学 脳の探求(改訂版)」(西村書店)と大隅典子著「小説みたいに楽しく読める脳科学講義」(羊土社)が授与されました。
入賞者のうち、希望者には、海外の大学を卒業した脳科学五輪OB・OGと対話する「留学相談懇談会」、ラボ見学会などの機会が与えられています。日本脳科学関連学会連合(脳科連)・脳科学リテラシー委員会は、今後も、入賞者の皆さんに大学・研究所の研究室見学などや、脳科学関連学会主催の公開イベントへの招待などの機会を作って参ります。

第10回脳科学オリンピック日本大会の最終順位は以下の通り(敬称略)です。
おめでとうございます!

1位 松柳 佳奈 (日本代表)
2位 都築 啓太
3位 淵上 理音
4位 島田 和佳
5位 鳴神 諒
6位 松本 恋実
7位 守安 巧
8位 栗秋 健吾

これまで、資金面を含めて本大会を温かくご支援くださってきた脳科連会員学会の先生方(特に入賞者全員の大会ご招待と当日副賞の本をご提供くださった日本神経科学学会(および同学会大会組織)の先生方)、副賞として今後の勉強にも役立つ素晴らしい神経科学の教科書をご提供くださった西村書店様ならびに羊土社様、入賞者のうち希望者対象の留学経験者懇談会で貴重な留学体験を共有してくださった日本大会OGの浦野瑤子さん(プリンストン大学2023年卒)、ラボ見学、学会イベントなどにご協力いただいた(あるいはこれからお引き受けいただく)大学・研究施設の先生方に深く御礼申し上げます。
なお、今年度の「脳科学オリンピックの寄付金募集」は募集期間:10月5日(木)~12月5日(火)で予定しております。改めて事務局よりご連絡いたしますのでご協力のほどよろしくお願いいたします。

【第19回リレーエッセイ】
日本神経回路学会会長 銅谷賢治
日本神経科学学会前会長の柚崎先生からバトンを受け取りました、日本神経回路学会(JNNS, https://jnns.org ) 会長の銅谷です。昨年は沖縄で初の神経科学合同大会(Neuro2022,https://neuro2022.jnss.org )を開催するにあたり、柚崎先生には強力なサポートをいただき大
変感謝しております。
日本神経回路学会は1989年、ネオコグニトロンで知られる福島邦彦先生を会長として設立されました。当時はジェフ・ヒントンらがバックプロパゲーションの可能性をアピールすることで始まったコネクショニストブームのさなか、計算神経科学と呼ばれる新たな分野が萌芽しつつある時期でした。その後四半世紀を経て、ネオコグニトロンを起源とする神経回路モデルを大量のデータを使いバックプロパゲーションで学習させることで、人を超えるような高度のパターン認識ができることが示され、今日のAIブームがもたらされました。神経回路学会の論文誌であるNeural Networksもインパクトファクターが2.0前後から2021年には9.6まで上昇するなど研究の活性化が進み、今や神経回路モデルはスマホの顔認識からChatGPTまで誰もが毎日使う技術となりました。そこで神経回路学会はより多くの研究者を集め社会に幅広く貢献することが求められており、昨年9月には五味裕章前会長と竹村文担当理事のリーダーシップのもと、一般社団法人として再スタートを切りました。
今年はその新たな枠組みのもとで、若手、女性、外国人、企業研究者などダイバーシティに富む新たな会員の獲得とアウトリーチの拡大に向け、若手中心の理事会メンバーで企画を進めています。
9月に東京大学で開催した全国大会は予想を大幅に上回る参加者を集め、若手研究者や学生たちが活発な議論を交わしてくれたことは嬉しい限りです。来年の大会は9月11-13日に北大で開催予定で、多くの方々の参加を期待しています。
さて、日本のフラグシップ脳科学プロジェクトである革新脳・国際脳は今年で10年目を迎え、その先のプロジェクトについては脳科連も将来構想委員会を中心に提言を行ってきたところですが、この6月に文科省の脳科学作業部会から「脳神経科学統合プログラム(https://www.lifescience.mext.go.jp/2023/06/7050629.html)」 案が打ち出されました。そこでは「多種・多次元・多階層データをもとに脳機能や脳疾患をデジタル空間上で再現する新たな数理科学的な研究基盤(デジタル脳)を整備・活用する」ということが主要課題とされ、これまで脳科学の辺境で過ごして来た数理モデル研究が、いきなり脳研究の中心舞台に引きずり出された感があります。これは私たち脳の数理モデル研究を営んできた者にとって大きなチャンスであるとともに、大きなチャレンジでもあります。今後これがどのような研究公募につながるかはまだ明らかでありませんが、神経回路学会とそのメンバーもデジタル脳プロジェクトに最大限貢献できることを期待しています。

【第31回脳の世紀シンポジウムのお知らせ】
脳の世紀推進会議理事長/日本脳科学関連学会連合元代表/日本神経学会元代表理事
水澤英洋
NPO法人「脳の世紀推進会議」は現代社会における脳科学の重要性を広く認識していただくと共に将来を担う若者を脳科学に引き付けることを主な目的として、一般市民や高校生、大学生、院生、若手・中堅研究者及びマスコミや科学技術行政関係者などを主な対象として、1993年以来毎年脳の世紀シンポジウムを開催してきました。本年はコロナ感染症に対する制限緩和を受けてハイブリッド形式(対面、ライブ配信、事後オンデマンド配信)で代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターを対面会場として11月18日(土)に開催します。メインテーマは「睡眠と脳」で特別講演は筑波大学の柳沢正史教授です。続いて「脳を知る」、「脳を守る」、「脳を創る」、「脳を育む」の4分野から最新の研究成果ついて講演があります。「脳を知る」分野では夏堀晃世東京都医学総合研究所睡眠プロジェクト主席研究員 、「脳を守る」分野では三島和夫秋田大学医学系研究科精神科学講座教授、「脳を創る」分野では上野太郎サスメド社代表取締役、「脳を育む」分野では玉置應子理研脳神経科学研究センター白眉研究チームリーダーの講演です。これらの講演後、
講演者と司会者全員のパネルディスカッションをライブで行う予定です。また、脳の世紀推進会議が主催或いは共催している世界脳週間イベントや脳科学オリンピックに高校生時に参加した学生からのビディオレターの放映もあります。これらのプログラムの詳細は脳の世紀推進会議のホームページ(https://www.braincentury.org) で御覧いただけます。ハイブリッド形式のため事前の参加登録が必要ですが、これもホームページから登録可能です。日本脳科学関連学会連合からは協賛いただいておりますので、皆様におかれましては是非ご参加いただくとともに関係する方々に広く広報していただければ幸いです。
なお、参加登録期間は以下のようになりますので、宜しくお願い致します。

現地参加の場合:2023年9月1日(金)~2023年11月16日(木)
Web参加の場合:2023年9月1日(金)~2023年12月24日(日)
※ライブ配信を視聴される場合は、2023年11月18日(土)16:20までに参加登録をお済ませください。

【活動報告(8~9月)】
・第2回将来構想委員会(8月17日)

【事務局だより(主に会員学会事務局向け)】
・脳科学オリンピックの寄付金募集をいたします。(募集期間:10月5日(木)~12月5日(火))
ご協力をお願い申し上げます。
・評議員の変更がございましたら、事務局までご連絡をお願いいたします。
・メールマガジン内容へのご意見やお問い合わせは、貴学会の事務局経由でお願いします。

(代理発送)
日本脳科学関連学会連合事務局
office@brainscience-union.jp
URL:http://www.brainscience-union.jp/
〒113-8657 東京大学農学部内
TEL: 03-5842-2210 / FAX: 03-5842-2237